伝統行事

祇園のえべっさん

※2021年1月9日 (土)・10日 (日) 10:00~ 蛭子船巡行(宵蛭子)は中止

七福神のひとり、えべっさんは、海の彼方の常世の国から招来した神さまで、豊漁や豊作をもたらす守護神。商売繁昌の福の神さまでもあります。えびす信仰は、商人の多い関西をはじめとして、全国的に根強く人気を集めています。

祇園のえべっさん

「えびす」は恵美須、恵比須、夷、戎、蛭子などと書きますが、八坂神社では、イザナギとイザナミの二柱の神さまが結婚。最初に生まれた子「蛭子」にちなみ「蛭子社」と表記、えびす社とよんでいます。「ひるこ」とは日子、日の御子で『広辞苑』などによると天照大神が女性の太陽神で、日子は男性の太陽神のことともいうそうです。社歴によると、もともとは境内に三社の蛭子社があったと伝えられていて、そのうちの一つが現存する蛭子社。北向きに建っているので「北向蛭子社」といいます。ちなみに現在の蛭子社は、正保3年(1646)に建造されたもの。3間4面、流造、柿葺きの社殿は、国の重要文化財に指定されています。

「商売繁昌で笹もってこい!」のかけ声でおなじみの「えびす信仰」は、日本各地に拡がり、中でも全国的に名の知られた大阪の今宮戎神社のえべっさんは、八坂神社の氏子が今宮に移り住んで、えべっさんをお祀りしたのがその起源です。そのご縁から、毎年大晦日には今宮戎神社の神職をはじめ福娘などがそろって八坂神社に大みそかには鯛を、祇園祭には奉幣をそれぞれ献上する習わしになっています。八坂神社からは1月8日に、今宮戎神社の十日戎に先だっての献茶祭に神水を持参してお供えします。えべっさんのルーツはこちら、蛭子社という由縁です。

1月9・10日の両日は福笹の授与があります。福笹かざりは「初えびす」に欠かせないもの。大判・小判や鯛、俵などの縁起物を飾りつけた福笹は、商売繁昌、家内安全のお守りです。9日は四条通に七福神を乗せた大きな「えびす船」が、八坂神社石段下から四条烏丸間を往復。七福神が笑顔と福を振舞います。

祭事

1月9日15:00~:蛭子船巡行(宵蛭子)
七福神を乗せた「えびす船」が四条通石段下~烏丸間を巡行

1月10日15:00~:蛭子社祭(本蛭子)
神前で商売繁昌・家内安全の祈願祭
※9~10日 境内蛭子社前にて福笹かざりを授与

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